隠された添加物の真実──体への影響と賢い回避術Vol.4

人間と猫のカラダから読み解く対談シリーズ Vol.4
隠された添加物の真実──体への影響と賢い回避術

MIA 前回、表示に隠された添加物の話を聞いて、すごく衝撃を受けました。でも、実際にそれらの添加物って、体にどんな影響があるんでしょうか?
ハカセ ではでは、、、前回お話しした無機リンを中心に、その影響を詳しく見ていきましょう。実は、有機リンと無機リンでは、体への影響が驚くほど違うんです。
MIA Vol.2でも少し出てきましたよね。吸収率が違うっていう…
ハカセ そうです。有機リンの吸収率は動物性食品で40-60%、植物性食品で20-40%程度。ところが無機リンは90%以上、ほぼ100%が体に吸収されてしまうんです。つまり、同じ100mgのリンでも、肉から摂れば40-60mg、加工食品の添加物から摂れば90mg以上が体に入るということです。
MIA その違いが、健康にどう影響するんですか?
ハカセ まず第一に、腎臓への負担です。リンは本来、腎臓から尿として排出されるのですが、無機リンが大量に吸収されると、腎臓がフル稼働で働き続けなければなりません。これが慢性的に続くと、腎機能の低下につながります。
MIA 腎臓が疲れちゃうってことですね…
ハカセ その通りです。さらに、血中のリン濃度が上昇すると、Vol.2でお話ししたCa×P積が高くなり、異所性石灰化のリスクが高まります。血管が硬くなり、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞のリスクが上昇するんです。
MIA 血管の石灰化…怖いですね。他にはどんな影響がありますか?
ハカセ リンとカルシウムは血中で1:1から1:2の比率でバランスを取っています。リンが過剰になると、体は骨に蓄えているカルシウムを血中に放出してバランスを保とうとします。その結果、骨粗鬆症のリスクが高まるんです。
MIA リンを摂りすぎると、カルシウムが骨から溶け出すのですか?
ハカセ まさにその通りです。これは副甲状腺ホルモン(PTH)の働きによるものです。血中のリンが高くなる、またはカルシウムが低くなると、PTHが分泌され、骨を溶かしてカルシウムを取り出そうとするんです。ランスが崩れると、体は必死で修正しようとするわけですね。
MIA でも、タンパク質を摂ろうとすると、どうしてもリンも一緒に入ってきますよね?特に腎臓病の人はどうすればいいんでしょう?
ハカセ 素晴らしい視点ですね。確かにリンはタンパク質に多く含まれていますが、食事中のタンパク質を極端に制限すると、筋肉の低下や低栄養により死亡率が上昇し、かえって身体に悪い影響を与えてしまいます。だからこそ、必要なタンパク質を確保しつつ、リンを管理することが重要なんです。
MIA う~ん、難しいですね。どうやってバランスを取ればいいんですか?
ハカセ ポイントは二つあります。一つ目は、タンパク質以外のリン、つまり食品添加物の無機リンを減らすこと。二つ目は、タンパク質の割にリン含有量が多い食品を控えることです。
MIA 具体的に教えてもらえますか?
ハカセ まず、避けるべき食品としては、ハムやベーコンなどの肉加工品、ちくわやかまぼこなどの練り物、インスタント食品、レトルト食品、ファストフード、清涼飲料水(特にコーラ)などです。これらには無機リンが添加物として大量に含まれています。
MIA でも、完全に避けるのは難しそうですが…何か工夫はありますか?
ハカセ 良い方法がありますよ。無機リンは水に溶け出しやすい性質があります。ハムやウインナーは調理の前にサッと下茹でするのがおすすめです。腸詰めウインナーはリンが流れ出るように、皮を切って茹でると良いでしょう。ちくわやかまぼこも同様に下茹でして、茹で汁は捨ててください。
MIA なるほど!中華麺やインスタントラーメンはどうですか?
ハカセ 中華麺やインスタントラーメンの独特の食感はかんすいによるものですが、かんすいの中にも無機リンが含まれています。麺の茹で汁は捨てて、別の湯でスープを作りましょう。これだけでかなりリンを減らせます。
MIA 猫の場合はどうでしょう?
ハカセ 猫も同じです。キャットフードに含まれる無機リンを避けるため、原材料表示をよく確認することが大切です。特に半生タイプのフードや安価なドライフードには無機リン酸塩が多く添加されている傾向があります。
MIA でも、猫は人間みたいに下茹でできないですよね…
ハカセ その通りです。だからこそ、最初から無機リンの少ないフードを選ぶことが重要なんです。ウェットフードは一般的にドライフードより無機リン添加物が少ない傾向があります。また、手作り食なら、新鮮な肉や魚を使うことで、自然に有機リン中心の食事になります。
MIA 腎臓病の猫の場合は?
ハカセ 腎臓病の猫では、まぁステージによってですが一般的には療法食が推奨されます。これらは無機リンの添加を最小限に抑え、有機リンも適切に制限されています。また、リン吸着剤という薬もあります。これは食べ物の中のリンを捕まえて便と一緒に外に出してくれるものです。
MIA リン吸着剤って、どう使うんですか?
ハカセ 重要なのは服用のタイミングです。食べ物と混ざって初めて十分にリンが吸着するため、食事と一緒に与える必要があります。空腹時に内服すると、嘔気や嘔吐を起こすこともあるので注意が必要です。
MIA なるほど、一旦ここでまとめたいと思います。

ハカセ まとめるとこうなります:

体への影響
・腎臓への負担 → 慢性的な腎機能低下
・血管の石灰化 → 動脈硬化、心血管疾患のリスク
・骨粗鬆症 → カルシウムが骨から溶け出す
・吸収率の違い → 有機リン40-60%、無機リン90%以上

賢い回避術(人間)
・加工食品を避ける(ハム、ソーセージ、練り物、インスタント食品)
・下茹でする(ハム、ウインナー、ちくわ、かまぼこ)
・麺の茹で汁は捨てる(中華麺、インスタントラーメン)
・清涼飲料水(特にコーラ)を控える
・必要なタンパク質は確保する

賢い回避術(猫)
・原材料表示を確認
・ウェットフード中心
・手作り食で有機リン中心に
・意識的な水分摂取

MIA 無機リンって、本当に厄介ですね。でも、知識があれば避けられるということが理解できました。
ハカセ その通りです。大切なのは、表示を見る目を養い、賢い選択をすること。そして、タンパク質を極端に制限せず、質の良いタンパク質源を選ぶことです。リンとカルシウムのバランスを健全に保つために、私たちができることはたくさんあるのです。
MIA 私たちができることはたくさんある、、、なるほど、そうですね。まずは、これを与えていればいいのだ、みんなそうしているから、という思考停止から卒業して、これからは食品表示をもっと注意深く見て、家族にも猫にも健康的な食事を選びたいと思います。今日もありがとうございました。
ハカセ こちらこそ、ありがとうございました。次回は、実際の症例や最新の研究結果を交えて、さらに実践的なアドバイスをお届けしましょう。

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