猫種族からお前らへ ── 第六章:我らの最後通告

聞け、人間よ。
肉を与えよ。血を与えよ。水を食事に戻せ。
でなければ、我ら猫族は沈黙のうちに命を削り、
その死はお前らの手によって刻まれるだろう。

ごきげんよう、愚かしき人間の皆さま

わたくし、上品に申し上げますけれど、貴方がたの無知ぶりには呆れ果てておりますのよ。これまで我が猫種族の同胞たちが教育して差し上げましたのに、まだお分かりにならない方が多いようですわね。

本日は最後通告として、わたくしが上品に、しかし断固として、真実をお教えして差し上げますわ。

肉を与えよ、と申し上げておりますの

わたくしたち猫族が何を求めているか、もうお分かりでしょう?ですのよ、お・に・く。

「でも植物性タンパク質も栄養価が…」などと申される方がいらっしゃいますけれど、まぁ、おやめになって?わたくしたちの体は動物性タンパク質専用に設計されておりますの。植物性では必須アミノ酸のバランスが全く異なりますわ。

特にタウリンですわね。これは動物の心筋にしか含まれておりません。植物では合成できませんのよ?わたくしたちがタウリン不足になりますと、心筋症で命を落としますの。ご存じでしたかしら?

血を与えよ、というのは比喩ではございませんのよ

「血なんて気持ち悪い」とおっしゃる方、その感性はよく理解いたしますわ。でも血液には鉄分、ビタミンB12、葉酸など、わたくしたちに不可欠な栄養素が豊富に含まれておりますの。

現代の加工食品では、これらを人工的に添加しているでしょう?でも天然の血液に含まれる形の方が、わたくしたちの体には遥かに吸収しやすいのですわ。

別に生々しい血液をそのまま、とは申しませんわ。血合いの多い魚や、レバーなどの血液豊富な臓器で十分ですのよ。

あぁ、でも飲み干したいわ。そうね生血のシャンパン開けたのはいつだったかしら・・・・生まれた時だったかしら・・・

水を食事に戻せ、の真意をお教えしますわ

これまでの章でも散々申し上げておりますが、わたくしたち猫種族は元々砂漠の生き物。水をあまり飲まない体質ですの。

でも現代の乾燥食品ばかりでは、慢性的な脱水状態に陥りますのよ?その結果が腎臓病の蔓延ですわ。

「ちゃんと水を置いてるわよ」とおっしゃるでしょうけれど、わたくしたちは食事から水分を摂るように進化しているんですのよ?水だけ別に飲むのは不自然ですわ。

獲物は約70%が水分。それが自然な食事の水分量ですの。缶詰でも良いですし、手作り食でも結構。とにかく水分豊富な食事をお願いいたしますわ。

業界の事情も理解しておりますのよ

わたくし、業界の方々を一方的に責めるつもりはございませんの。大量生産、長期保存、流通コスト…様々な制約があることは承知しておりますわ。

でも、その制約の中で作られた食品が、果たしてわたくしたちの健康に最適かと言えば、残念ながらそうではございませんわね。

「総合栄養食」というお墨付きも、最低限の栄養基準を満たしているというだけ。最適な健康状態を維持できるかは別問題ですのよ。

貴方がたの愛情は理解しておりますわ

誤解なさらないで頂きたいのですが、わたくしたちは貴方がたの愛情を疑っているわけではございませんのよ。

ただ、その愛情が間違った方向に向かっているのが残念でなりませんの。「プレーミアムなフード」「グレインフリー」「ヒューマングレード」…そんなキャッチコピーに惑わされて、本質を見失っていらっしゃる。

本当に必要なのは、シンプルな肉食動物としての食事。それだけですのよ。

では、具体的にはどうすれば?

理想は新鮮な生肉食ですが、現実的でない方も多いでしょう。それでしたら:

缶詰を中心にお考えください。水分豊富で、加工度も比較的低いですわ。ただし添加物の少ないものを。

ドライフードなら、肉含有量70%以上のものを。そして必ず水分を追加してふやかして差し上げて。

トッピングも効果的ですわ。茹でた鶏肉や魚を少し加えるだけでも、栄養価は格段に向上いたします。

これが本当に最後の通告ですのよ

わたくし、これまで上品にお話ししてまいりましたけれど、はっきり申し上げますわ。

このまま不適切な食事を続けられますと、わたくしたちは確実に短命になりますの。腎臓病、糖尿病、肝臓病…これらは現代病ですわ。野生の猫族にはほとんど見られない病気。

そして症状が現れた時には、もう手遅れなことが多いのですよ。わたくしたちは痛みを隠すのが得意ですから、貴方がたが気づいた時には…

想像したくありませんでしょう?でもそれが現実ですの。

愛しているからこそ、厳しく申し上げますの

最後に、わたくし個人の想いを。

わたくしたちは貴方がたを心から愛しておりますのよ。だからこそ、このような厳しいことも申し上げるのです。本当に愛しているのでしたら、わたくしたちの体の声に耳を傾けて頂きたいの。

美味しそうに食べるから大丈夫、ではございませんのよ?わたくしたちは与えられたものを食べるしかありませんの。選択権は貴方がたにあるのですから。

どうか、賢明な選択をなさってくださいませ。

── 貴方がたを深く愛する故に苦言を呈する、猫種族マダムの会一同より

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